○豊かな四季に育まれた 日本のアコヤ真珠
今日、世界中で盛んな養殖真珠の原点といわれるアコヤ真珠。
その美しさは、多くの日本人が重ねた努力から生まれています。
アコヤ真珠は、日本の豊かな海で育てられた養殖真珠です。寒暖差のある水温の影響で、真珠の中でももっとも透明感があり、キメが美しいといわれています。明治26年、御木本幸吉の半円真珠の養殖に始まり、明治40年に現在のような丸い真円真珠養殖技術が確立されました。このアコヤ真珠の養殖技術が、現在の黒蝶真珠、白蝶真珠、淡水真珠養殖の基本となったといわれています。
アコヤ真珠の養殖は、まずアコヤ貝の稚貝を育てることから始まります。親貝を人口受精させ、水槽の中で約1~2ヶ月間、孵化したした稚貝が2ミリ程度に成長するまで飼育。その後、稚貝をネットに入れ、水温22~25度の海に放ちます。成貝となるまでには、約2年もの時間をかけてじっくりと育てられます。無事に成貝となったものは、5月頃と10月頃に、真珠のもととなる核入れがなされます。真珠の芯となる核と貝の外套膜の断片(ピース)を入れた貝は、一度穏やかな内海で養生させ、2~3週間後に沖に移動。台風や急激な温度変化、赤潮などから守るために、ときには貝を移動させたり、付着した藻を除去したり、いい真珠に育つよう手間をかけます。
最終的に、真珠が貝から採取されるのは12月前半から1月後半。水温が下がると、薄くて粒子の大きなカルシウム結晶が真珠の表面を覆って色やテリがよくなるからです。世界中で愛されるアコヤ真珠の輝きは、長い時間と多くの人の努力で生まれます。
●アコヤ真珠● | | 10mm以下で、一般的には4~6mmのものが主流。
他の真珠に比べて巻きが薄いので、真円に近い美しい球形が多いといわれ。四季のある日本で育つアコヤ真珠は、水温が低くなる冬場になると、薄くて大きなカルシウム結晶が真珠の表面を覆うため色やテリがいいのが特徴。 |
●母貝● | | アコヤ貝 |
●採取地● | | 愛媛、三重、九州(長崎、熊本、佐賀、大分、鹿児島) |
●サイズ● | | 約2~10mm |
●形● | | ラウンド、セミラウンド、セミバロック、バロック |
●色● | | ピンク、ホワイト、グリーン、ロゼ、クリーム、イエロー、ゴールデン、ブルーなど |