○タヒチの海で生まれる神秘の輝き 気品ある黒蝶真珠
タヒチの美しいラグーンと穏やかな海で大きく成長する黒蝶真珠。
グリーンブラックの美しい輝きが独特の魅力を漂わせています。
現在、黒蝶真珠のほとんどがタヒチで採取されています。母貝となるクロチョウ貝は、赤道を挟んで南北30度以内の緯度の暖かい海域に生息。島の周囲や環礁内のラグーンなど、潮の流れが緩やかで、海水がきれいな場所を好んで棲み、4~5年で平均10~20センチの大きさになります。
タヒチでは、人工的なコレクターを海に沈め、天然で孵化した稚貝を付着させて採取したものを養殖用の母貝に用います。通常、ピース(外套膜の断片)を採るための貝は2年間、真珠の核入れを行う母貝は3年間養殖。色目に特徴がある黒蝶真珠は、ピース貝の選定がとても重要。成長のよい2年目の中から、貝殻真珠層の色がいわゆる「ピーコックカラー」と呼ばれる赤みのあるグリーンブラックのものを選びます。ブラック系がもっぱらでしたが、最近のマルチカラーの流行であらゆる色が人気です。
黒蝶真珠は通常、1回目に9ミリの核を挿入し、1年半~2年間養殖して、10ミリ以上になったものを採取。その後、母貝を生かしたまま、空になった真珠袋に核のみを挿入して2回目の養殖を行い、次は11ミリ以上の大珠を作ります。しかし、大きな核を挿入するには高い技術が必要。近年は、9ミリ以上の大きな核を挿入する技術者が減り、8ミリなどの小さな黒蝶真珠も見かけます。とはいえ、黒蝶真珠の多くは大粒で華やか。落ち着きのあるダークカラーに、鮮やかな虹色の輝きを秘めた魅惑的な真珠です。
●黒蝶真珠● | | 0.8mm以上の厚巻きが主流。赤、青、黄色系の3つの色素が混ざり合い、さらに光の反射、拡張などによって神秘的な色を放つ。暗い透明フィルムを通して光をあてると、真珠に映りこんだ光源が、グリーンに発光して見える。表面に筋の入ったサークル珠が特徴的。 |
●母貝● | | クロチョウ貝 |
●採取地● | | フレンチポリネシア海域、クック諸島、フィジー島、オーストラリア、沖縄 |
●サイズ● | | 約10~16mm |
●形● | | ラウンド、セミラウンド、ドロップ、サークル、オーバル、ボタン、バロック、ケシなど |
●色● | | ブラック、グレー、ブラウン、グリーン、モスグリーン、ピーコックグリーン、ブルー、レッド、イエロー、クリーム、ホワイトなど |