鑑定書の読み方
中央宝石研究所の鑑定書
【カット・形状(SHAPE & CUT)】
研磨されたダイヤモンドのカットの形を記載しています。
ダイヤモンドの美しさを最大に引き出す代表的カットといえばラウンド・ブリリアント・カットです。ラウンド・ブリリアント・カットとは、丸型でクラウン側に33、パビリオン側に25、合計58のファセット(研磨された面)を持ったカットのことです。また、ラウンド・ブリリアント・カット以外にも、ファンシーシェイプカットと呼ばれるオーバル、ペアシェープ、マーキス、エメラルド、ハートシェープ等様々なカットもあります。
【寸法(MEASUREMENTS)】
ダイアメンション装置(プロポーションの自動計測装置)を使用して、ダイヤモンドのガードル直径2か所(最小値と最大値)とテーブルからキューレットまでの全体の深さを測定し、寸法として100分の1ミリ単位で記載しています。
【重量・カラット(CARAT WEIGHT)】
宝石の重量は、正確なデジタル電子重量計で小数点第3位(1/1000カラット)まで測定され、カラット重量(略字ではct)で記載しています。グラム表記に直すと1ctが0.2gになります。
重量の後に”(刻印)”とかかれている物は、リング等製品に入っている重量の刻印をそのまま記載しています。その他、この項目には貴金属品位(Pt900など)が記載されることもあります。
【カラー(色)の等級(COLOR GRADE)】
GIAマスターストーン(JJA/AGL認定)を使用して、ダイヤモンドの色の濃さを評価し、カラーグレードとして記載しています。一般的には純粋無色なものをDカラーとし、以下E、F、G、H・・・・Zまで分類評価します。
なお、Zカラー以下のダイヤモンドやピンク、ブルー、パープル、グリーン、オレンジ等のファンシーカラーと呼ばれる様々な色調を帯びたダイヤモンドは、別の分類評価をします。
<JJA/AGL認定マスターストーン>
AGL会員の鑑定機関では統一された基準で色を見るようマスターストーンのカラーを統一しています。このJJA/AGL認定マスターストーンとは使用したマスターストーンを表しています。
<色の起源>
検査の上、その色が天然か人工かを記載しています。
【クラリティ(明澄度)の等級(CLARITY GRADE)】
磨かれたダイヤモンドを専門家が10倍に拡大し検査してインクルージョン(包有鉱物)の有無、位置、大きさ、性質、数、色を総合的に判断してクラリティー(明澄度)の評価は行われます。
クラリティー(明澄度)の評価は、フローレス(FL)を最高に、肉眼でインクルージョンが見えるI3までの11段階に分類されています。
【カットの等級(CUT GRADE)】
ダイヤモンドのプロポーションとフィニッシュ(研磨の仕上げ)を基に総合的に評価します。EXCELLENT(エクセレント)、VERY GOOD(ベリーグッド)、 GOOD(グッド)、FAIR(フェアー)、POOR(プラー)の5段階に等級付けします。
<研磨状態>
ダイヤモンドのファセット(研磨された面)の研磨の仕上げ評価です。EXCELLENT(エクセレント)、VERY GOOD(ベリーグッド)、 GOOD(グッド)、FAIR(フェアー)、POOR(プラー)の5段階に等級付けします。
<対称性>
対称性とは、ダイヤモンドのファセット(研磨された面)の位置やバランスの仕上げの評価です。EXCELLENT(エクセレント)、VERY GOOD(ベリーグッド)、 GOOD(グッド)、FAIR(フェアー)、POOR(プラー)の5段階に等級付けします。
【蛍光性(FLUORESCENCE)】
ここでは、ダイヤモンドの蛍光の色調や強さを記載します。ダイヤモンドは、一般的に紫外線を当てると、石によって様々な蛍光を発します。この発光時の色及び強さを蛍光マスターストーンと比較して決定します。
【レポート番号(Number)】
グレーディングレポートの右上にはレポートごとに番号が記載されています。
【プロポーション(PROPORTION)】
ダイヤモンドに施された面(ファセット)の角度や比率をGIA基準により記載します。
<テーブル径>
テーブルの角から反対側の角までを4か所測定し、その最大値をガードルの平均直径で割り、小数点第1位を四捨五入して%表示したものです。プロポーションの自動計測装置(ダイアメンション)を使用して算出しています。
<ガードル厚>
クラウン部とパビリオンを分けている部分をガードルと呼び、ダイヤモンドを保護するために必要なものです。ガードルは、厚さの度合いによりEXTREMELY THIN(極端に薄い)、VERY THIN(非常に薄い)、THIN(薄い)、MEDIUM(中位)、SLIGHTLY THICK(やや厚い)、THICK(厚い)、VERY THICK(非常に厚い)、EXTREMELY THICK(極端に厚い)の7段階に分類されています。
<全体の深さ>
テーブルからキューレットまでの深さを平均直径で割り、小数点第2位を四捨五入して%表示したものです。プロポーションの自動計測装置(ダイアメンション)を使用して算出しております。
<キューレットサイズ>
ダイヤモンドのパビリオン部の尖端をキューレットと呼びます。大きさや状態によってNONE(なし)、VERY SMALL(非常に小さい)、SMALL(小さい)、MEDIUM(中位)、SLIGHTLY LARGE(やや大きい)、LARGE(大きい)、VERY LARGE(非常に大きい)、EXTREMELY LARGE(極端に大きい)、CHIPPED CULET(欠けたキューレット)、ABRADED CULET(摩耗したキューレット)の用語で表現します。
【その他/備考欄(COMMENTS/REMARKS)】
レポート内の記載以外のダイヤモンドの特徴やその他の情報をコメントします。
【プロット(PLOT)】
ダイヤモンドのインクルージョン(内包物)の特徴を図示したものです。石の表面に限られた特徴は緑色で、石の内部又は表面から内部に入っている特徴は赤色で、カッターにより必要外につけられたファセットは黒色で、それぞれをレポート上に図示します。
ハート&キューピッドのレポート
【ハート&キューピッドのレポート】
ハート&キューピットとは、特殊なスコープでダイヤモンドを表から見ると8本の矢(アロー)、裏から8本のハートが綺麗に見えるダイヤモンドで、これを書面に記した物がH&C(ハート&キューピッド)レポートです。又、ハート&アロー、華標(はなしるべ)と呼ばれる事もあります。
【ダイヤモンドと鑑定書の同一性の確認】
お手持ちのダイヤモンドが、鑑定書と同一のものかどうかの確認を、鑑定書の発行元鑑定機関に直接お持ち頂くか送付することで調べることができます。(*ただし、ダイヤモンドが枠に留めてある場合、枠からはずす必要があります。)詳しくは、お電話にてお問合せ下さい。