指輪の位置について
古来より右手は「権力と権威」、右手は「服従と信頼」を表す手といわれてきました。
リングは嵌める指によって呼び名があり、さまざまな意味が込められています。
しかし普遍的ではなく、国や時代によっても変化します。
<小指 ピンキーリング>
英語で小指のことはピンキーといいます。
そして小指は「チャンスや秘密」の象徴とされ、古代ローマでは印章指輪を小指に嵌める男性が多く見られ、また、イスラム教の開祖ムハマンドはいつも右手の小指にリングをしていたと伝えられています。
小指は一番外側にある指なので、自分以外から見て一番目立つところにあります。
ティーカップを持つとき、髪をかき上げるしぐさなど、小指は女性らしさを表現します。その指にジュエリーをつけることは女性らしい魅力やおしゃれを見せてくれます。
しかし小指は外側にあるということで、しょっちゅう物に当たります。
そのためピンキーリングは、立爪タイプは多くありません。
また小指は他の指と違い節がないので、気づかないうちに落としてしまうことがあります。
その点ではリングは幅のあるほうが安全です。
<薬指 マリッジリング エンゲージリング>
薬指は「創造」を象徴する指とされます。
婚約指輪、結婚指輪、エンゲージリング、マリッジリング、ブライダルリング、これら全て結婚に関するリングの名称です。
結婚リングを左手の第4指につけている伝統は、その指の静脈が直接心臓に向かって走るというギリシャ人の確信から生じたとか。
そのためブライダルリングやエンゲージリングを嵌める特別な指とされました。
結婚に関するリングは次回説明します。
<中指 ミドルリング>
中指は「直感やインスピレーション」を象徴する指とされました。
ピンキーリング、インデックスリング(人差し指)のような呼び名はなく、つける指の名前で呼ばれています。
中指は指の中で一番長い指でセンターにあるため、ボリュームのあるデザインをつけこなすことができます。
また、まだ結婚されていない女性が、薬指にリングをつけるのがはばかられるので、この指にしかリングをつけないという方もいらっしゃいます。
<人差し指 インデックスリング>
人差し指は「人を導き教える」指とされます。
キリスト教の司祭や中世ヨーロッパ王族が好んでリングを嵌めました。
また、古代ローマ時代には海外遠征する臣下を任命するときなど、この指にリングを嵌めて行いました。
親指との間隔があるので、デザインは大振りなものが可能で、上面だけでなくサイドのデザインを見せることができるリングです。
不思議なことにこの指にリングをつける方たちは、意志の強い、センスやデザインに自身のある方が多く見かけられます。
気弱な女性はぜひ、インデックスリングをつけ自分の意志や、願いをリングに導いてもらったらどうでしょう。
<親指 サムリング>
かつては弓を引くときに指の保護のためリングを嵌めました。
中世ヨーロッパでは印章指輪を嵌める男性が多く見られました。
サムリングの特徴は、親指ということもあり、リングは太目の特殊なものが多いようです。
小指と同様指の一番端にあるため、側面が主張できます。
若い男性がシルバーの奇抜なデザインのリングをつけている光景を良く見かけるようになりました。
またこの頃は女性にも人気があり、“いのうえ”でも女性のお客様から親指用にと、プラチナのダイヤリングからのリフォームをお受けしたことがあります。
全て手造りのサムリングは、お友達の間でも好評で大変喜ばれました。